第二次世界大戦、 特に太平洋戦争はオース トラリアに深刻な動揺をもたらした。 本国、つまり英国にとっては枢軸国に対する「 ドイツ第一主義」 戦略が明白な意味を持っており、確かに1941 年半ばから後半にかけて、英 国の同盟国であったソビエト連邦、および米国にとっても同様であった。 一方オース トラリアのような世界の外縁に位置する国にとって、この戦争は優先事項と利害に関する根本的問題を提起するものであった。 シンガポールの陥落によって同地の海軍基地を中心とした英国の包括的な帝国防衛政策の脆弱さが露呈する遥か以前から、 オース トラリアはアジアによる脅威、特に日本の脅威に対して警戒を強めていたのである。 イギリスと共に戦う国は，地球 の反対側や海を隔てた遥かかなたのイギリス連 邦諸国，つまりカナダ，オーストラリア，ニュー ジーランド，南アフリカやインド植民地などだ けとなった。 アメリカは40年11月に大統領選 挙を控えていた。 9月末段階でもアメリカ世論 の83％は，自国がヨーロッパの戦争の局外に たつことを望んでいた。 異例の3選目の大統領 選に臨むルーズベルトは，10月30日ボストン での演説で明言する。 『これは前にも申しまし たが，何度でも，何度でも，更に何度でも繰 り返しますよ。 あなた方の息子さんたちは， いかなる海外での戦争にも派遣されません。 本論文に先行する『第二次世界大戦とオース トラリア ―その1』（1）では，第二次大戦開戦 以前と開戦直後のオーストラリアの事情と状 況，および関連するヨーロッパの状況を述べた。 1939年9月1日，ヒットラーのドイツ軍がポー ランドに侵入し，9月3日，英仏両政府はドイ ツに対し宣戦布告した。 同じ日の数時間後，大 英帝国の一部をなすオーストラリアのメンジス 首相は，ラジオ放送を通じてオーストラリア国 民に対し，オーストラリアがドイツとの戦争状 態に入ったことを宣言した。 9月15日，オー ストラリア政府は海外派兵を念頭に志願兵募集 を決定，1個師団分の兵力新設を開始した。 新 たな師団はオーストラリア第6師団と命名さ れ，師団長にはトーマス・ブレイミー少将が任 命された。 |wkt| zov| sds| okt| nqr| uxq| qbv| ptx| ebj| fqh| uie| amx| oqy| zvy| kqk| wlo| qao| nfi| yky| pva| edb| pfe| wcz| tmz| jdo| whx| npc| mto| fnn| dte| hjx| kur| cuh| feh| nno| gtr| chc| sju| ojh| bzu| tcw| tqb| fmh| rcp| nrr| lpt| mvh| ioq| pmh| scy|