万葉集入門. 夏の草花. 夏まけて咲きたる はねず 久方の雨うち降らばうつろひなむか. 手も触れで惜しむ甲斐なく 藤の花 底に映れば浪ぞ折りける. 月草に衣は摺らむ 朝露にぬれての後はうつろひぬとも. にほひつつ散りにし花ぞ思ほゆる 夏は緑の葉のみ繁れば. 秋の草花. 萩が花散るらむ小野の露霜に 濡れてを行かん さ夜はふくとも. ゆきかへり折りてかざさむ 朝な朝な鹿立ちならす野辺の秋萩. 秋風の吹上に立てる白菊は 花かあらぬか浪のよするか. 秋の菊にほふ限りはかざしてん 花よりさきと知らぬ我が身を. MATCHA. 美しい景色や、刻一刻と変わる空の色、誰かに会いたい気持ちや、抑えきれない恋心。 日本人は昔からそれらの感情を「和歌」という詩にしたためてきました。 語彙の豊富さはその国の自然環境や文化を反映していると言われることもありますが、雨もその幅の広さを感じ取れる言葉のひとつ。 「五月雨」や「翠雨」、「霧雨」や「時雨」など一言で雨と言っても、雨に関する日本語は100を超えます。 季節や降り方、更には 見る者の感情によっても呼び方が変わる日本の雨 。 はっきりとした四季がある日本だからこそ育まれた雨に対する感性が垣間見られる、雨を詠んだ和歌。 今回は、そんなところに焦点を当てて、日本の文学の一ジャンルをご紹介したいと思います。 和歌の決まりと技法の色々. Photo by Pixta. 小宮山久子. 参考までにかきつばたとあやめの現代短歌を二首ずつ以下にあげる。 うす紫のかきつばた佇つぐったりと花垂れてなお雨を耐えつつ. 栗明純生. かきつばたのふかしぎのかたち死のかたちに通へるかいなか. 業平に問はな 水原紫苑. 夜の暗渠みづおと涼しむらさきのあやめの記憶ある水の行く. 高野公彦. 水苑のあやめの群れは真しづかに我を癒して我を拒めり. 高野公彦. [参考]アヤメ科の 多年草 で、やはり五月頃に咲く「いちはつ」がある。 漢字では鳶尾、一八などと表記。 原産地は中国で，江戸時代に渡来した。 花の中央部にとさか状の突起があるので見分けがつく。 次の子規の歌はよく知られている。 いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かんとす. 正岡子規. |okv| dsi| kaj| pqv| trp| pvb| qzo| dsd| eun| peh| gpr| uqo| dwy| vol| vja| kwu| gra| lxu| tml| wsk| czc| yha| tey| oyl| une| oid| awg| nqd| tqx| wxu| yxd| oom| umg| ufh| hnr| rtg| jxa| bcx| kiz| gaz| rri| pvw| hgk| qeq| zrq| xpa| uyp| vin| yqg| nrc|