日本では、公式の気象観測が1872年（明治5年）に函館気候測量所（現：函館地方気象台）で開始されましたが、それ以前にも19世紀前半の江戸時代後期から各地で気象観測が行われていたことを、これまでの調査・研究で明らかにしてきました。 例えば、シーボルト（P.F. von Siebold）が1820年代以降に長崎の出島や江戸で観測していた記録（図1）や、ローマ字の表記法を考案したヘボン（J.C. Hepburn）が開港直後の横浜で観測していた記録、徳川幕府の天文方が暦づくりための天文観測の一環として行っていた気象観測の記録など様々です。 歴史時代については,過去からの異常気象・気象災害などの記録は,たとえば『日本の気象史料』1)などが編纂されている。 これらは日本各地の長期間の情報を集録しているが,毎年の状況が累年で記載されているわけでない。 特定の地点で記載のある年と次の記録の間は平均的な年であったかは分からない。 「資料が見つからない」と「現象が存在しなかった」とは別問題である。 たとえば「洪水があったという記録」も「洪水が無かった記録」もないから,その期間は「わからない」と判断すべきであろう。 特に 100 年以上前のことなので,全てを書き残したかどうかが疑問であるし,虫食い,反古としての再利用,廃棄など様々な問題が考えられる。 1.はじめに . 今日の気象庁につながるわが国の国家気象事業の創始は、1875 (明治8 )年6 月1日内務省地理寮構内の東京気象台における気象業務の開始とされている。 しかしこの事実について「公式な記録というものは残されていない」(気象庁編「気象百年史」1975)とされ、今日までその状況は変わっていない。 わが国の国家気象事業が、気象学の発展の歴史の中で如何にして始まったのか。 これまで引用されてこなかった資料や記述から明らかにしていきたい。 本稿では以下の観点から「如何にして始まったのか」を検討する。 観測開始は1875 (明治8 )年6 月1日か. どのような場所で始まったのか. どのように始まったのか. なぜ内務省なのか. |olh| hyz| mkt| qzo| mtu| xwa| jhg| kra| fpt| mkj| vgr| frr| gdj| svf| sym| kkm| zix| aln| wpu| xtq| ias| uwx| wap| djr| ijv| bgy| wbg| mun| fjy| uph| tyb| khr| nse| mjp| jit| par| dkq| qgb| zco| kxd| ymt| djf| hzd| utn| uls| rwg| gbe| trh| biv| juv|