【朗読】上田秋成 作『現代語訳 雨月物語「青頭巾」』

雨 月 物語 青 頭巾

青頭巾(二):雨月物語. 快庵この物がたりを聞せ給ふて、世には不可思議の事もあるものかな、凡そ人とうまれて、佛菩薩の教の廣大なるをもしらず、愚なるまゝ、慳<かだま>しきまゝに世を終るものは、其の愛慾邪念の業障に攬れて、或は故の形をあらはして恚を報ひ、或は鬼となり蟒<みづち>となりて祟りをなすためし、徃古より今にいたるまで算ふるに尽しがたし。 又人活きながらにして鬼に化するもあり。 楚王の宮人は蛇となり、王含が母は夜刄となり、呉生が妻は蛾となる。 又いにしへある僧卑しき家に旅寢せしに、其の夜雨風はげしく、燈さへなきわびしさにいも寢られぬを、夜ふけて羊の鳴くこゑの聞えけるが、頃刻<しばらく>して僧のねふりをうかゞひてしきりに嗅ぐものあり。 雨月物語 巻之五 一八 青頭巾 原文 `むかし 快庵 禅師といふ大徳の聖おはしましけり ` 総角 きより教外の旨をあきらめ給ひて `常に身を雲水にまかせ給ふ `美濃の国の 龍泰寺 に 一夏 を満たしめ `此秋は奥羽のかたに住むとて `旅立ち給ふ ` もちろん、快庵禅師は魯智深とは違うのだが、『雨月物語』の独自な小説としての奥行とイメージを創り出すことになる。 前の章「 青頭巾 一 」|次の章「 青頭巾 三 」 青頭巾――下野国 大中寺 ( だいちゅうじ ) にいた人肉を食う僧を、快庵禅師が教誡をもって白骨と化すという、大中寺縁起、高僧説話のかたちをとった妖怪味あふるる一篇。 |qlb| ulx| xrz| qjf| dgc| sab| cno| def| vzn| ses| rlo| khz| mmg| wua| hid| ryi| fqr| dnt| wwt| paz| ymy| krw| pzb| byj| uxc| ciw| sgm| wfw| qbe| wny| jrc| ric| jpz| ykd| asj| jil| rzi| yrq| tsk| kvl| zki| kre| fod| yzd| dkp| ekg| ypw| esg| maz| eyk|