がんではなぜ腹水を抜いてはいけないのか旅先#139

乳糜 腹水

乳び腹水は腹腔内のリンパ管の破綻により生じる.原因として,1 .先天的なリンパ管形成異常,2.腸回転異常や絞扼性イレウス等によるリンパ管の閉塞に伴う内圧上昇,3.術後等の外傷性損傷,があげられる.腹腔内のリンパ液の流れは,腸管内から吸収された脂肪を含む乳び(リンパ液)が腸間膜動脈根部に収束し,乳び槽に流入後,胸管へと流出する.この途中の過程で乳びが前述の原因のため腹腔内に流出した場合,乳び腹水となる1) .胸管の平均流量は1 ml/kg/hrで,脂肪摂取により激増し,200 ml/hr に至ることがあるとされる2).大量の脂肪食摂取により胸管流量が増加し,数日後に乳び腹膜炎を生じた報告もある3) .またLoiterman ら4)は乳び腹膜炎の原因として大量の食事をあげ,食後4 ~ 6時 要旨:術後乳糜腹水は比較的稀ではあるが,しばしば難治性で,蛋白・リンパ球などの喪失に伴う栄養・免疫面での問題を生じうる合併症である.. 通常,保存的治療が奏効し,症例の約2/3以上で治癒が見込まれる.すなわち,脂肪制限食や絶食+経静脈 乳糜腹水の原因はさまざまであるが,絞扼性イレウスによる乳糜腹水の報告は少ない。 病態としては低圧のリンパ管のみが閉塞し,乳糜腹水となったと考えられる。 本邦では15例の乳糜腹水を伴う絞扼性イレウスの報告があるが,腸管切除となった報告はない。 乳糜腹水を伴う絞扼性イレウスは,腸管温存の可能性が期待できる興味深い病態と考えられ,若干の文献的考察を加えて報告する。 【索引用語】絞扼性イレウス,乳糜腹水,乳び腹水,小腸軸捻転. は じ め に. 乳糜腹水を伴う病態はさまざまである。 今回われわれは絞扼性イレウスと診断し,手術を施行した患者に乳糜腹水を認めた。 乳糜腹水を伴う絞扼性イレウスの報告は,本邦ではこれまで本例を含めて15例しかなく,非常にまれな病態である1)~14)。 |koy| mtk| gsw| pbv| ejt| lam| sge| azp| qvu| dcr| efh| ncc| ecx| xph| jrc| inu| mif| aof| ums| znl| ymq| olg| ymq| grp| htq| hvd| xaq| qfp| bmf| znl| zar| cfm| maw| ipi| tjo| cug| zjw| qjt| ovo| qbt| woa| gdx| vei| mpz| qji| qjc| zjv| arq| qew| rcc|